McIntosh
History
マッキントッシュの歴史
"Legendary Performance" encapsulated our history
マッキントッシュは、Frank H. McIntoshによって1949年にワシントンで創立されました。その後、現在のニューヨーク州ビンガムトンに本拠を移し、Gordon J. GowとSidney Cordermanがエンジニアとして加わり、半世紀にわたり専業のオーディオメーカーとして歩んできました。
マッキントッシュのアンプは、完璧さと永続性を追い求めてデザインされており、伝統的なフルグラスのイルミネーションフロントパネルが美しさを演出しています。視認性の高いグリーンとブルーのメーターは、漆黒のガラス面とともに、どのようなインテリアにも調和し、洗練された佇まいを生み出しています。
創業以来、音楽の歴史とポップカルチャーの最も重要な瞬間を支えてきました。ジョンソン大統領の就任演説から ウッドストック、グレイトフルデッドの「ウォール・オブ・サウンド」まで、マッキントッシュは時代を見てきただけでなく、その歴史の一端を担ってきました。
マッキントッシュは1949年にメリーランド州シルバースプリングで設立され、1951年にニューヨーク州ビンガムトンへ移転しました。それ以来、マッキントッシュはビンガムトンで開発・製造を続けています。
戦後の経済低迷期において、マッキントッシュの最初の事業は民間の放送業界から始まりました。LPレコードの登場により、人々のより良いオーディオ機器への需要が高まる中、オーディオ愛好家たちは、優れた性能を持つマッキントッシュがホームオーディオシステムに最適であることに気づきました。

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- ゴードン・ガウがエグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任。

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- 初のプリアンプ「AE2」を発売。これは、以降に開発されるパワーアンプの先駆けとなる最初の製品でした。

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- MC30およびMC60の登場により、クロームメッキのシャーシはマッキントッシュのデザインエレメントとして確立しました。後にステンレススチールに変更されています。フランク・マッキントッシュとゴードン・ガウが共同開発した「ユニティカップリング回路」により、低歪みと広い周波数特性を実現。また、チョークトランスを採用することで、S/N比を格段に改善しています。

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- C8は、ポリッシュブラスのフェースプレートが特徴のモノラル真空管プリアンプです。MC30モノラルパワーアンプと完全にペアリングするよう設計されており、マッキントッシュが最初に展開した専用のプリアンプの一つです。これにより、C8とMC30の登場によって、マッキントッシュはハイエンドのチューブオーディオブランドとしての地位を築きました。

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- マッキントッシュの成長に伴い、ニューヨーク州ビンガムトンのチャンバーストリート2番地にて、さらに広い社屋を8ヶ月かけて建設しました。それ以来、この場所で開発・製造を続けており、現在も社屋は会社とともに成長し続けています。

この10年の製品ハイライトは、名機MC275を中心とした最初の真空管ステレオパワーアンプの登場でした。写真はMC240を手作業で組み立てている様子です。


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- 名匠シドニー・コーダマンによって設計されたMC275は、当時としては高出力を誇るステレオの真空管アンプでした。出力トランスにはバイファイラ巻き線を採用し、周波数特性の向上や歪みの軽減、内部抵抗の低減を実現しています。MC275は、オーディオ史に残る名機となりました。

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- C22は、MC275と対になるマッキントッシュを代表するプリアンプです。CR型フォノイコライザー回路のお手本として知られる名品です。フロントパネルの上半分には黒塗りのガラスパネルを採用しています。ゴールドアルマイト仕上げと組み合わせたフロントパネルには、ティール色に灯る文字や、セレクターのレッド色のドットライトなど、細部にわたるデザインの工夫が施されています。

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- 50Wx2のMC2505は、パワーアンプとしては出力は小さめですが、マッキントッシュサウンドをしっかりと踏襲しています。デザインやプロポーション、念入りな仕上げなど、完成度の高さが魅力のアンプです。

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- C26はマッキントッシュが2番目に開発したトランジスタープリアンプです。フロントパネルには全面に黒塗りのガラスパネルを採用しています。ゴードン・ガウが夜のJFK空港の滑走路照明から着想を得て、ブルー、グリーン、レッドの視認性の高いイルミネーションをデザインしました。ブルーアイズメーターとともに、以降の製品の象徴的なデザインとなっています。

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- 1969年に開催されたウッドストック・ミュージック&アート・フェア専用のサウンドシステムに、ハイパワー真空管パワーアンプMC3500が使用されました。これは音楽史において重要な場面となりました。そのフェスティバルは、何十万人もの参加者にとって、平和、愛、音楽に満ちた3日間となりました。

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- オーディオ評論家の重鎮・菅野沖彦先生(1932年-2018年)が初めてマッキントッシュ社を訪問。それ以降ゴードン・ガウと菅野先生は尊敬する良き友人として交友を深めあっていきました。菅野先生の意見は、その後の製品開発にも大きな影響を与えています。

ML/XRシリーズなどのスピーカーの開発を精力的に手がけ、それに対応したアンプやチューナーも次々と開発しました。アンプにはガラスフェイスプレートを採用し、特徴的なブルーアイズメーターを装備することで、マッキントッシュのアイコニックな外観を確立しました。1970年代はマッキントッシュとオーディオ業界にとって素晴らしい時代でした。
マッキントッシュのスピーカーは、その10年間にわたりオーディオファンの注目を浴び続けました。XR5とXR7は、重ねて縦置きすることで大音響を実現できるフラッグシップモデルでした。

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- C28は入出力を自在にコントロールできるクラシックデザインの多機能なプリアンプです。アルミ削り出しのつまみを使用した最後のモデルです。

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- 初めて発売されたMR78チューナーは、FMチューナーの性能を新たな水準へと引き上げました。それに大きな影響を与えた他のメーカーも設計を見直し、改良を重ねるきっかけとなりました。

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- 1974年に、グレイトフル・デッドはサンフランシスコのフルバレスで「ウォール・オブ・サウンド」を発表しました。この超大型の音響システムには、合計48台のマッキントッシュMC2300アンプが使用されており、その出力は28,800ワットに達しました。この迫力のステージ音響は、今なお語り継がれています。

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- ステレオサウンド社から「世界のオーディオ マッキントッシュ」を発刊。
マッキントッシュの歴史や魅力を詳述したこの書籍は、全215ページからなる海外のオーディオメーカー初の専門書籍となりました。

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- フランク・マッキントッシュは1977年に引退し、ゴードン・ガウが社長に就任。ゴードンが、販売代理店に使用を奨励していた顕微鏡を手にしている姿が映っています。その顕微鏡はフォノスタイラスをチェックするためのものでした。

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- MA6200は、マッキントッシュで最初のプリメインアンプです。この頃からイコライザーによる補正を推していたマッキントッシュはMA6200に5バンドイコライザーを搭載。また相互ダビングも可能な2系統のテープ回路、プリメイン間分離端子、連続可変型ラウドネスコンペンセーターなどが搭載されています。

1980年代は、世界経済の減速と国内外の競争も激化する中、マッキントッシュにとって新たなチャレンジとチャンスの時代でした。アメリカで初めてCDプレーヤーを販売するなど、革新的なデザインを導入し、新しい世代の顧客の心をつかみました。

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- 1980年、菅野先生の後輩だった服部一郎(1931-1993)氏にマッキントッシュを紹介したことをきっかけに、株式会社エレクトリは、マッキントッシュ社と独占輸入代理店契約を結びました。エレクトリの高い技術スキルと顧客への手厚いサポート体制は、マッキントッシュのポリシーと同じくするもので、両社は長い歴史の中で非常に強固な信頼関係を築いています。

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- XRT20はこの時代の最も革新的なスピーカーでした。ホームユース向けにラインアレイデザインを初めて導入した画期的な製品であり、菅野沖彦先生が愛用していたことでも知られています。Roger Russell(1935-2021)が手がけたこのXRT20は、24個のトゥイーター・アレイと30cmウーファーを備えた27ユニット構成のシステムで、リアルな立体感と驚異的なダイナミックレンジ、さらに非常に広帯域な特性を持つ、最高水準のスピーカーです。エレクトリはXRT20の良さを実感していただくために、MQ107を用いたヴォイシング(設置調整)込みで販売しました。

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- MC2500は、MC3500以来の伝統的なデザインで、プロの現場での使用にも耐えられる信頼性と高品位を兼ね備えた、時代を代表するハイパワーアンプです。プロ市場での人気も高く、レコーディングスタジオでも採用されていました。

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- MC2255は、「より良い音をより長く」というポリシーのもと、ダメージを回避するための独自のパワーガード機構を搭載しています。回路内には入力信号と出力信号の波形を自己診断する装置が組み込まれており、回路を7つに分割して自動的に動作診断を行う仕組みです。

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- XRT18は「ステレオサウンド」誌の年間最優秀賞である「Component of The Year Golden Sound賞」を受賞しました。

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- MCD7000は、アメリカ初のCDプレーヤーでした。その優れた音質により、マッキントッシュはCDプレーヤーの先駆的なリーダーとして知られるようになり、多くの人々をCDファンに引き込むきっかけとなりました。

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- C34Vは、次世代モデルへと移行する境界となった製品です。横幅は最後のスタンダードサイズのモデルでありながら、機械式スイッチに代わり電子式スイッチを採用しています。ビデオセレクターMVS-1と接続することで、映像信号をオーディオ回路に影響を与えずに切り替えることが可能です。さらに、スピーカーコントロールリレーSCR-2を使用することで、AC2系統とスピーカーシステムの両方を切り替えることができます。

マッキントッシュは、これまでのハイエンドオーディオメーカーにはない広い工場と設備を導入し、品質向上と効率的な生産管理体制を築きました。ガラス加工や基板生産用の新しい製造機械の導入、無響室など測定環境の充実を進め、製造工程の近代化を図りました。家族的な雰囲気を大切にする文化はそのままに、ハンドクラフト特有の趣向が強い製品を最新の設備で生産し、低価格で提供することができるのは、マッキントッシュの大きな魅力です。
こうした取り組みの一環として、レーザーディスクの普及とともにホームシアターの分野に進出しました。壁面や木製キャビネットにアンプを設置するパノラマシステムを廃止し、新しい19インチサイズのケースに変更したのもこの時期でした。

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- MC1000は、美しいガラスパネルに大型のブルーアイズメーターを備えた定格出力1000Wのハイパワーのモノラルパワーアンプです。「ステレオサウンド」誌の年間最優秀賞である「Component of The Year Golden Sound賞」を受賞しています。パワー段には、4組のコンプリメンタリーバランス回路を集積した対称増幅回路を採用しています。アウトプットトランスを用いることで、安定した出力を実現し、スピーカーとのマッチングを最適化しています。当時のステータスモデルとして、多くの支持を集めました。

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- C39 A/Vコントロールセンター、MC7106の6チャンネルアンプ、HTシリーズのスピーカーを発売し、業界初の完全なTHX認定システムを実現しました。

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- MC275はゴードン・ガウを記念して、復刻モデルを限定生産しました。ガウはマッキントッシュの創設者の一人であり、長年にわたり社長を務め、同社を牽引した重要な人物でした。外装には、前面にゴードン・ガウの名を刻んだ小さなバッジがあしらわれていました。

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- MA6800は、マッキントッシュの三種の神器ともされるガラスパネル、出力トランス、ブルーアイズメーターを備えたパーフェクトなモデルです。セパレートアンプと同等のクオリティを持つプリメインアンプのエポックメイキングとして、絶大な人気を博しました。

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- C42は、これまでのアンバランスな入出力から、完全なバランス入出力を備えたデジタルアッテネーターを搭載しています。また、コントロールも従来のアナログからデジタルへと進化し、近代型モデルの先駆けとなった製品です。

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- MC2000は、マッキントッシュの創立50周年を記念して発売された、限定版の真空管パワーアンプです。マッキントッシュでは珍しい固定バイアス方式を採用しています。このモデルは、一度リタイアしたサイエディ・コーダーマンがプロジェクトに復帰し、設計を手がけたもので、多くのオーディオファンの注目を集めました。

2001年にチャールス・ランドルが社長兼CEOに就任。彼は1988年にマッキントッシュに入社し、エンジニアとしてキャリアを積みました。その後、技術部門の副社長を経て、最終的に社長兼CEOとなりました。
電子工学の専門知識を持つチャールスは、低価格のプリメインや車載用コンポーネントなど、ピュアオーディオだけでなく多様な分野の製品を次々と開発しました。これにより新たな顧客層の獲得にも成功しました。

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- MC1201は、大型のブルーメーターを搭載した1200W出力の、当時としては最大級のハイパワーアンプです。「ステレオサウンド」誌の年間最優秀賞である「Component of The Year Golden Sound賞」を受賞しました。

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- MA2275は、ガラスパネル、出力トランス、ブルーメーターに加え、KT88を用いたパラレルプッシュ構成の真空管を搭載した、マッキントッシュ初の真空管プリメインアンプです。

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- MC2KWは、片チャンネルあたり、ドライブ段、正相増幅段、逆相増幅段の3つの筐体を使用したハイパワーアンプです。総重量は342kgで、出力は2000Wです。

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- マッキントッシュは、初めての高精度ターンテーブルシステム「MT10」を発売しました。このシステムは、マッキントッシュのデザインと性能に調和した、美しい外観と高い機能性を兼ね備えています。

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- マッキントッシュの60周年を記念して、MXA60 インテグレートオーディオシステムが発売されました。これは、SACDプレーヤー、FMチューナー、プリアンプ、アンプ、スピーカーをすべて一つのユニットにまとめた、マッキントッシュ初のミニコンポです。

MC1.25KWは、初採用となるモノグラム・ヒートシンク(McIntosh Monogrammed Heatsinks™)を搭載しています。ThermalTrak™パワートランジスタには温度検出用ダイオードが内蔵されており、俊敏かつ正確な温度管理を実現しています。本機は、ThermalTrak™パワートランジスタの性能を最大限に引き出すため、出力段に専用のバイアス回路を備えています。これにより、歪みを抑えつつ温度の安定性を維持し、広帯域の音楽信号にも忠実で安定した動作を保証します。

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- C50はマッキントッシュにおいて初めてデジタル入力に対応した多機能プリアンプで、内蔵のDAコンバーターにより、様々なデジタル信号を高品質に変換します。

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- ステレオサウンド社から「McIntosh 往年のマッキントッシュ」を発刊。
日本のオーディオ全盛期を彩ったマッキントッシュの名機を、菅野先生をはじめとする識者方が深堀りした全274ページの貴重な専門書籍です。

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- マッキントッシュは、クリーブランドにあるロックの殿堂で、「グレイトフル・デッド」の特設展示をほぼ1年間にわたり主催しました。バンドのメンバーのほとんどは、かつての「ウォール・オブ・サウンド」に使用されたマッキントッシュのMC2300アンプを所有していました。これらのアンプの一部は、バンドのメンバーからロックの殿堂に貸し出され、展示に利用されました。

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- MA9000は「ステレオサウンド」誌のGRAND PRIXを受賞しました。代官山のリストランテASOで盛大に授賞式が行われ、チャールス・ランドル社長とMA9000の設計者アンドリュー・シェピスが来日し、壇上に上がりました。

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- マッキントッシュの創業者であるフランク・マッキントッシュとゴードン・ガウは、この年、ニューヨーク市のレインボールームで行われた式典において、コンシューマーテクノロジーの殿堂入りを果たしました。この栄誉は、世界中の人々の生活を豊かにする製品や技術を生み出し、テクノロジー業界に大きな影響を与えた人物に授与されるものです。

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- マッキントッシュのアンプが使用されたウッドストックの記念日であり、50周年の節目を迎えました。この記念を祝って、マッキントッシュはベセル・ウッズ・センター・フォー・ザ・アーツで、「スタジアムのはるか後方までちゃんと聞こえますか?」というテーマのパネルディスカッションを開催しました。パネリストには、ウッドストックのサウンドエンジニアであるビル・ハンリー氏も参加し、「ウッドストックのサウンド」について熱く議論が交わされました。

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- マッキントッシュは創立70周年を迎えました。この記念に合わせて、限定の記念モデルを販売しました。これらの収益の一部は、世界的な人道支援団体であるセーブ・ザ・チルドレンへの寄付に充てられました。

アナログレコードの復活や、ワイヤレスやストリーミングなどの技術革新に伴い、オーディオシステムの性能は向上しています。これらの進化に合わせて、マッキントッシュも日々進化を続けています。

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- MSA5500は、現代のオーディオの多彩なワイヤレス音楽ストリーミング機能に加えて、ソース機能を接続するための豊富な入力を備えています。

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- マッキントッシュの75周年を記念して5機種の限定モデルが生産されました。

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- 音楽之友社から「月刊stereo McIntosh 75th Anniversary」特集号を発刊。マッキントッシュの一斉試聴、日本のマキニストたち、平川隆文によるマッキントッシュとの歩み、リペアの現場、オーディオ店がみたマッキントッシュとの60年など、マッキントッシュをあらゆる角度から切り込んだ全67ページの特集が組まれました。
